何をきっかけに、公衆衛生分野や行政での仕事に興味を持ったのですか?
急性期病院で泌尿器科医として働くなかで、病状が落ち着いて慢性期病院に転院した患者さんが、1カ月程度で状態の悪化により再入院し、転院と再入院を繰り返すうちにどんどん悪くなっていくケースをよく目にしました。多くはがんの患者さんでしたが、全身管理に人手をかけられる急性期病院でずっと診ていれば、もっと長く生きられたのではないかと思い、こうした医療の仕組みを誰がどう決めているのだろうと関心を持ったのが医師になって4年目の頃でした。
そんなときに、厚生労働省のホームページを見て、そこで働く医師がいることを初めて知ったのです。1年間考えて厚労省に見学希望のメールを送り、採用担当の方や同じ北海道出身の先生、年の近い先生を紹介してもらい話を伺いました。そして、こうした人たちが働いているのならば、医系技官の仕事も面白そうだと思ったのです。