平成28年の第一次研究班は、自治体の公衆衛生医師の確保と育成を促進するために、女性医師、若手医師、ベテラン医師が公衆衛生医師の具体的な活躍のイメージを関係組織と共有すること、社会医学系専門医認定プログラムや自治体の公衆衛生医師養成プログラムを基に、行政機関の公衆衛生医師におけるコンピテンシーとその育成プログラムポリシーを策定すること、公衆衛生医師に求められる資質や育成に関するガイドラインを整備することを目的として、立ち上げられました。
そして、臨床医師に対する調査や、効果的に人材確保及び育成を実施している自治体等でリクルートを行った保健所長等を対象とした調査を行い、公衆衛生行政医師の育成に求められる要素や課題について明らかにすることができました。
令和4年の第二次研究班は、過去15年間の公衆衛生医師確保の推進から人材育成に至るプロセスについて集約し、自治体で活用しやすい公衆衛生医師人材育成方策のコンテンツを作成後、自治体側からもフィードバックをいただきつつ、コンテンツの実効可能性や、横展開の手法について検証し、今後の人材確保・育成に役立てることを目標にしています。 また、公衆衛生医師と社会医学系教室の連携に関する方策を検討し、地域の公衆医師確保を行政、大学と一体となって行う機運を醸成することもできます。例えば、公衆衛生医師が社会医学系の講義を行う(人材確保)、研究職ではなく実務を担う行政職として大学と連携し、現場課題の解決に繋がるような研究を行う(人災育成)、といった方向性が考えられます。 本研究を通じて若手医師が公衆衛生に興味を持つ局面を明らかにし、その局面で周知する機会を増加することによって公衆衛生活動全般に関する認知を高め、入職へのきっかけとすることも期待されます。
このウェブサイトを通じて、本研究班の研究成果を発信し、得られた知見を関係者と共有することで、公衆衛生行政医師の確保と育成を活性化させることを願っています。